学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

第90号

2006. 6.23 ご登録読者数 1402 名様

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☆トップクラスに入る勉強法! 第90号☆

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発 行:考える学習をすすめる会 http://kangaeru.org
                             
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§このメルマガの趣旨

成績は「勉強時間」と「勉強のやり方(頭の使い方)」で決まりま
す。もし、大きく学力を高め、成績を向上したいなら、勉強のやり
方を、覚える学習から「考える学習」に変えなくてはなりません。

このメルマガをしっかり活用すれば、トップクラスの成績を手に入
れることができます。執筆者は全員が10年以上のベテラン塾長です。
熱意ある皆さんのために、このメルマガをお届けします。
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こんにちは。手塚です。

長野県では、中学3年生のために、高校側が公開授業、体験学習、
学校見学の機会を提供しています。

私の娘は今年受験生。2~3週間前、彼女は志望校の1つの某公立
高校へ学校見学に行ってきました。娘の感想「学校が汚い、トイ
レがくさい。あんな学校行きたくない。」

先週の日曜、やはり志望校の某私立高校の学校祭へ行ってきました。
娘の感想「すごく雰囲気がいい。みんなおはようってあいさつして
た。学校もきれい。絶対ここへ行きたい。」

学校の雰囲気や清潔さって先生の指導次第ですよね。どんな先生が
いらっしゃるか想像つきます。

志望校へ入れるようがんばって欲しいですが、この高校、親も面接
があるらしい。ゲッ!!

さて、今日はいよいよMちゃんシリーズ最終回。ちょっと寂しい気
がします。最終回はホームステイを通して学んだ、価値観について
です。


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           英語で楽しむ
        Mちゃんホームステイをする

           その3「価値観」

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外国の方と交流をしたり、お付き合いをしたりていると、いろいろ
な面で互いの価値観が違うことに気づきます。

特にホームステイをすると身にしみてそれがわかります。それは日
本とは全く違う文化や習慣の中で生活するからです。

ホストファミリーの家で、その家族の一員として過ごすので、その
国や家族の習慣に従って行動しなければなりません。それにファミ
リーは自分達の価値観で私達に接します。


私の前回の記事の中で、ホストファミリーの日本人に対する印象を
書きました。

日本人は「控えめ、はずかしがり、依存心が強い。」とのことでし
た。

これは、日本人が昔から美徳としている「謙虚であること」という
価値観を、アメリカ人が美徳としている「積極的であること」とい
う価値観から見るとそういった印象に映るのかもしれません。


例えばMちゃんが経験したなかで、こんなことがありました。

ホストマザー:I'm planning to have a barbecue or a potluck

       party for you. Which do you like?

      (あなたのためにバーベキューかポトラックパーティ
を開こうと思うのだけど、どちらがいい?)

Mちゃん:(Mちゃんの心の声)
私のためにお母さんやファミリーの手を煩わせたらわ
るいな。お母さんはどちらの方がいいんだろう?

      I can't decide. Which is easier for you, Mom?

     (決められないわ。お母さんにはどちらの方がいい?)

ホストマザー:You have to decide. It's up to you, M,

       because we'll do for you.

(あなたが決めなきゃいけないわ。あなた次第よ、M。
なぜなら私達はあなたのためにやるのだから。)


このとき、ホストマザーに気をつかったMちゃんの「謙虚、控えめ」
の態度は、「積極的」の価値観があるマザーにしてみれば、「消極
的、控えめ、依存心が強い」というふうに取れたかもしれません。

おそらく、こればかりではなくいろいろな場面で、2つの価値観が
ぶつかりあっていたでしょう。

積極派のホストマザーからすれば、Mちゃんの態度はイライラした
かもしれません。だからといって、ホストマザーはMちゃんのこと
を「もっと積極的になりなさい。いい加減にしなさい。」と怒りも
しませんでした。

マザーは、日本人とはそういう性格だと思っていたかもしれないし、
忍耐強かったのかもしれません。


ここで大切なのは、マザーがMちゃんの性格を認め、受け入れてく
れたことです。だから、彼らと仲たがいもなく、うまく交流ができ
たのです。

日本の価値観は他国では悪徳かもしれません。でも、それを認める
度量がなければ交流や友情は生まれません。悪ければ決裂というこ
とにもなりかねません。


Mちゃんが体験した決裂のケースをお話しましょう。

Mちゃんは自分がホームステイを経験したばかりでなく、ホームス
テイする学生や社会人を毎年家庭に受け入れています。

Mちゃんがホストファミリーになるわけです。

ある年、トルコからの大学生を受け入れました。彼は日本が好きな
のですが、日本人の閉鎖性が理解できません。

彼は、日本人と仲良くなりたいのに日本人の方が心を開いてくれな
いと言います。それは、トルコ人の「弱者にやさしく」という価値
観と、日本人の「遠慮深い」という価値観のぶつかりあいだと思い
ます。

トルコの人は一般に弱い人にとても優しく、親切です。

重い荷物を持っていれば持ってくれるし、道が分からなければそこ
まで送ってくれる。自転車でもあれば荷台に乗せてくれて目的地ま
でGO!! また、お腹が痛いといえば、頼みもしないのに薬を買
ってきてくれるし、困っていれば必ず助けようとしてくれます。そ
れに、お金がない人にはお金をあげるのがあたり前だと思っていま
す。

日本人には親切すぎるほどの親切はトルコ人にとっては、あたり前
のことで、それを断れば、逆に友達がいがないと嘆かれます。

彼はMちゃんに言います。「どうして日本人は僕のすることを受け
入れてくれないんだ。友達じゃないか。」

また、日本人は本音をなかなか言いません。「本音と建前」の世界
があります。それを彼は理解できず、日本人はオープンじゃないと
言います。

Mちゃんは、日本人は昔からつつしみ深く、それが美徳だと教育さ
れてきたこと、日本人は本音をなかなか言わないことを説明しまし
た。

けれど彼はそれを理解できません。理解しないどころが、それはお
かしいと言い張ります。ヨーロッパでは、日本は理解しがたい変わ
った国だと言われている、僕はヨーロッパの人は理解できるけど、
日本人は理解できないとまで言います。

Mちゃんはまた彼に説明します。
日本が変わった国だと思われるのは独特の文化があるから、それは
長い間鎖国があったから。ヨーロッパ人を理解できるのは、あなた
達は、陸続きで互いの交流があったから、多少なりとも理解しやす
いのだと。

それでも彼は理解しようとしません。自分の価値観で日本を見、日
本の価値観を認めようとしないのです。世界にはいろいろな価値観
があって、それを認めることはとても大事だといっても彼にはわか
らず、とうとうお互いけんか腰になり帰国の日を迎えてしまいまし
た。

2人はしばらくメールの交換をしていましたが、結局またその議論
になり、とうとう決裂してしまいました。

価値観の違いを認めることはとても大切だということや、日本や日
本人を理解してもらえなかったMちゃんはとても悲しみました。


英語は今や世界共通語です。英語ができていろいろな国の人と交流
することは楽しく、自分の世界を広げます。世界が広がればチャン
スにも恵まれることが多くあります。

でも、それぞれの国の価値観を認める度量がなければ、いくら英語
が堪能でもその人の世界は狭くなります。

世界には本当にいろいろな価値観があります。また、各国の価値観
だけでなく、1人1人の価値観もそれぞれ違います。人はみんな違
うのです。違ってあたり前なのです。それを受け入れ、尊重するこ
とでお互い良い関係を築くことができるのです。



さて、長い間にわたってMちゃんシリーズを書いてきましたが、今
回でもう終わりです。

英語が「苦痛の作業」だったMちゃんはあるネイティブとの会話が
キッカケで英語を学び始め、ここまできました。今は世界中にたく
さんの友達を持ち、交流を楽しんでいます。

このMちゃんシリーズが、英語が苦手な人への励ましのメッセージ
になればととても嬉しいです。また、英語が得意な人には実際に使
える英語を学ぶきっかけとなり、どんどん自分の行動範囲を広げて
いって欲しいです。


では、GOOD LUCK!!




    (執筆:手塚英数教室 手塚美喜…小布施町清水)


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